袋の厚みって、何だ?


こんにちは。ポリするです。
皆さんは袋の制作を検討されるときに「厚み」について気にされたことはございますでしょうか。

デザイン変更や製造費用に伴う現行品からの切り替えの際、寸法(袋の幅・高さ)はわかるのでそのままで見積してくれ、というお客様が多くおられます。
その際、厚みを確認させていただくと「わからん」と仰る方も一定数おられます。
袋の厚みによっても使用感やお値段は変わってきます。袋の厚みは寸法と同じくらいに重要なファクターと言えるでしょう。
今日はそんな袋の厚みについて、お話していきます。

 

目次:

    ①一般的な袋の厚みについて
    ②厚みを変えるとどうなるの?
    ③どうやって袋の厚みを決めるべきか?
    ④まとめ

 

①一般的な袋の厚みについて

一先ず、出回っている袋の厚みがどれくらいなのかを御紹介しましょう。

  • HDPE レジ袋… 0.012~0.025mm
  • LLDPE 小判抜き袋…0.06~0.08mm
  • LLDPE 肥料袋…0.1~0.15mm

(あくまで「一般的な」範囲です。この厚みから逸脱した袋もございます)

大きい袋になるほど袋の厚みを増やしていく傾向にあります。
※例えば弊社規格品の場合、A4サイズ(250*400)の厚みは0.06mmであるのに対し、A3サイズ(350*500)の厚みは0.08mmです。

このような厚みに何かJISのような規格があるわけではなく、今までの慣例的に「なんとなくこれくらい」というような厚みになっています。
ちょっとしたデファクトスタンダードと言ってもいいかもしれません。

「だったらもっと薄くしても(厚くしても)いいんじゃないの?」そう思われる方がおられても不思議ではありません。

②厚みを変えるとどうなるの?

袋の厚みを変えることで何が変化するのか、ご説明しましょう。

 

●袋を薄くすることのメリット
・お安くなる
一番わかり易いメリットです。袋の製造に使用する原料の量が減りますので、その分お値段は下がります。
業界では「薄肉化(はくにくか)」と呼ばれます。近年では環境課題解決のため、省資源化が注目されております。そういった観点から薄肉化を検討されるお客様もおられます。

・軽くなる
何万枚単位での製造をお考えのお客様ですと、重量や保管スペースの問題もございます。
袋を薄くすると、若干重量が軽くなったり、スペースを取らずにすむようになります。

●袋を薄くすることのデメリット
・本体部分が破けやすくなる
袋が薄くなると、破れやすくなります。
重量物や角張ったものを入れた際に、袋本体が裂けるおそれがあります。
「薄くしたはいいが破れやすくなってしまった」 これでは本末転倒です。
薄肉化しても問題ないかということは十分に試す必要があります。

・なんとなく頼りなくなる
なんか急にファジーになったな…と思われるかもしれませんが、その通り。印象の話です。
「安全と安心は違う」という言葉があります。安全が客観的なものであるのに対し、安心は主観的なものである。安全かどうかを確認することは出来るが、安心は主観的なものであるが故に外からどうこう言えません。

例えば、今まで厚み0.08mmの小判抜き袋を使っていた人が0.06mmの袋を使うとなると、どうしても薄く感じてしまうものです。
やっぱり慣れている厚みがいい、となるのも無理ないことです。

 

厚くした場合のメリット・デメリットは薄くした場合の逆です。
簡潔に申し上げます。

●袋を厚くすることのメリット
・丈夫になる
●袋を厚くすることのデメリット
・単価が上がる

 

③どうやって袋の厚みを決めるべきか?

袋の厚みに関する内容をご理解頂いたところで、実際の袋をどうするべきか、検討していきましょう。
もし今お使いの袋があれば、一度それに合わせた内容でお見積もりされることをオススメいたします。
使い慣れた袋のままで問題ないのであれば、そのままで行くのが一番です。
(こちらにに現物を送付いただければ、厚みを計測することも可能です!)
(現行品がなく、ゼロベースでお考えの場合には、弊社の実績からおおよそで算出させていただきます。ご相談くださいませ)

 

小判抜きの場合、弊社規格寸法であれば厚みも決まっております。
基本的には規格に併せたお見積りをさせていただいております。
(厚みを変える場合、オリジナル製造と同じ扱いになります)

 

弊社の規格で一番薄い袋がA4サイズ(厚み0.06mm*幅250mm*高400mm)です。
よく「0.06mmで厚みは足りますか?」と聞かれることがございます。
結論から申し上げますと、ほぼ全ての場合において0.06mmあれば十分です。
よほど重いものが入らない限り、厚みが不十分であるということは考えづらいです。

1度だけ「厚みが不十分なので厚くしたい」というお客様がおられました。袋の中に入れられるのは、自動車学校で使用する教習本とのことでした。

免許を取るために教習に通われていた方なら覚えがございますでしょう。自動車学校で使う教習本はめちゃめちゃ多く分厚く、重いです。
置き勉が許されなかった小学生時代の下校時間を思い出して、少しノスタルジーに浸った思い出がございます。
教習所に待ち時間を潰すための漫画があったのですが、帰らずにずっと読んでいたあの日。
あの日に帰りてえよ…ずっと「ヒカルの碁」を読んでいてえよ…

…「ノスタルジーに浸っていた」という思い出でノスタルジーに浸ってしまいました。
皆さんは自動車学校の空き時間、何をされてました?

【閑話休題】
教習所の教科書ほど重い物を入れるのでなければ問題ない、とご認識いただければと存じます。
※規格のサンプルをお送りすることも可能です。厚みが問題ないか考えたいという方は、是非ご相談くださいませ。

ご予算都合などによる薄肉化を検討される場合、もし弊社に近いものがあれば「厚みはこれくらいですよ」とサンプルをご用意することは可能です。
ただ、1からの設計になりますので最終的にはお客様のほうでのご判断となります。ご容赦下さい。

材質がHDPEかLLDPEかによっても話は変わってまいります。

HDPEの方が生地が硬いため、薄くしても強度を保つことが可能です。
ただ、HDPEも薄くすると裂けやすくなってしまうため、注意が必要です。

※HDPEの方が硬いのですが、「硬い分裂けやすい」という問題がございます。
LLDPEとHDPEで引っ張ったときに硬いのはHDPEなのですが、刃物で軽く引っ掛けたときにはLDPEの方が伸びがある分破けにくいです。
もしレジ袋がお手元にあればお試し下さい。引っ張りには強いですが、突き刺しには弱い…というのがHDPEの特性なのです。
逆に突き刺しに強いのがLLDPEの特性です。

例えば「レジ袋を検討している」「袋の中に入れるのが大きな箱」という前提条件の場合、HDPEでは角を引っ掛けて裂けの可能性が高まります。
すると「HDPEで少し厚めにとるか」「材質をLLDPEにするか」という選択肢が生まれます。
どちらのほうが良いのか、となりますと…箱の重さ・実際の大きさ・製造枚数・ご予算・使用感etcetc…によって変わってまいりますので、都度ご相談で対応させていただきます。

 

④まとめ

    1. 袋を薄くすると破れやすくなるかも。ただ厚くすると単価も上がり資源も無駄になってしまう。バランスが大事。
    2. お見積りのときにはまず弊社規格か現行品でご検討。現行品を送付いただければ弊社で計測可能。
    3. 薄くしたり厚くしたりは慎重に!

袋を作るときには「大きさ」だけでなく「厚み」も重要だ ということがご理解いただけたでしょうか。
わからないことなどありましたら、何でもご相談くださいませ!
ご拝読ありがとうございました。


筆者紹介…門田
株式会社富士カガク所属。「ポリする」担当営業。
健康診断の結果が全体的によろしくない。