多色刷り(2色以上での印刷)で気をつけて欲しいこと~「版ズレ(柄ズレ)」って何だ?~
※2色以上を使われる場合は、柄ずれが生じる可能性がございますので、予めご了承くださいませ。
弊社では多色刷りでの印刷の際には、いつもこのような注意文を載せております。
説明が必要になると判断されるお客様にはその都度ご説明させていただいているのですが、
これから多色刷りを検討されるお客様の参考になればと思い、当コラムを作成させて頂きます。
版ズレについては、実は既に以前ご説明させていただいております。
「フルカラー印刷って何?」 こちらの中に御座います。
(以下引用)
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グラビア印刷のフルカラーの場合「まずイエロー(黄)」「次にマゼンタ(赤)」「シアン(青)」「最後に黒」というように、1色ずつ順番に印刷を行っていきます。そのように色を重ね合わせていくのですが、ポリ袋は「熱で縮む」「引っ張ると伸びる」などで、印刷途中にも若干変化が発生してしまう場合があります。
- 例えば、青の印刷を施す前と、赤の印刷を施す前では、印刷を1回している分で印刷機のテンション(引っ張り)が発生するため、全く同じとは行きません。
これによって発生するのが「版ズレ」です。
赤と青を100%同じ位置印刷することは出来ないため、変化してしまった分、若干色がはみ出してしまうのです。
この部分について、詳細にご説明させていただきます。
例1:掛け合わせでの色表現の場合
例として、フルカラー印刷で「緑」を印刷するケースを挙げます。
フルカラー印刷で緑色を出すにはまずに「黄」を印刷し、その上に「青」を印刷する必要があります。
ただ、黄色の真上にそのまま青色を載せることは困難です。どうしても若干ズレが生じてしまいます。
これが「版ズレ」です。
図の方では例示のため大げさに描いておりますが、多少のズレであればここまで気になることは御座いません。
ただ、図柄によってはズレが目立ってしまう可能性がございます。それが例示の一番下にある「線が細すぎる」パターンです。
版ズレによって重なる部分が全く無いほど細くなってしまうと、狙った色にならないどころか非常に見辛いデザインになってしまいます。
特にありがちなのが「文字」です。家や職場でプリントアウトするときと同じ感覚で文字に色をつけられると、上記のようなズレが発生する恐れが御座います。
文字は少しでもズレると可読性に関わるため、とくにシビアな判断になります。
大きい文字にしていただくか、単色で印刷できる色(黄・赤・青・黒)をお勧めします。
※通常のデザインの線であれば太さ「1.5mm以上」あれば多少ズレても違和感なく収まります。1.5mmを下回る数字になりますと、版ズレによるエラーの危険性が上がるため、印刷が困難になります。
例2:異なる色が密接している場合
もう一つの例として、2色以上の印刷で色が完全に隣り合っているケースを挙げます。
2つの色が完全に密接している場合、少しズレただけで空白が生じ、意図していたデザインとは違うものになる可能性がございます。
それを避けるため、お互いに少しずつ重なるように印刷を行います。多少ズレても余白が出来ないように印刷し、柄ズレによる事故を無くします。
ただ、色が重なった部分は本来とは違う色になります。
※「1.5mm」程度の部分、色が変わります。デザイン全体としてみると、色の境目に線が入ったように見える場合がございます。
色味によっては気になる場合もありますが、おおよその場合そこまで気になるものではございません。
柄ズレはそのままにしてしまうと印刷の仕上がりを悪くしてしまう原因になります。
そのため、少しでもデザインが綺麗に仕上がりご満足頂けるよう、修正やご提案を行っております。
「こんなデザインではどうなるか」など、ご不明点が御座いましたら、何でも御相談下さいませ。
お電話やメールなど、何でもお待ちしております!
筆者紹介…門田
株式会社富士カガク所属。「ポリする」担当営業。
白抜きを使ったおしゃれな印刷が好み。